新松戸駅に快速が止まるかも!?新松戸駅への快速停車計画、松戸市が本格調査の結果を発表
松戸市が3月25日、JR常磐線新松戸駅への快速列車停車を実現するための調査結果を公表しました。
令和4年度から2年間かけて実施した検証業務の概要をまとめています。
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快速停車を目指す背景
新松戸駅は3つの路線(JR常磐線・武蔵野線、流鉄流山線)が乗り入れる交通の要衝で、商業集積も松戸駅に次いで市内2番目の規模を持っています。
しかし現状では課題も抱えています。駅周辺の賑わいが十分ではなく、西側エリアには昭和50年代前半に建設された大規模マンションの老朽化問題、東側エリアには駅前広場や道路などの都市基盤の未整備という問題があります。
市では、新松戸駅を中心とした地域の活性化と魅力向上を図るため、交通利便性を高める施策として快速列車停車の実現を検討しています。
期待される効果
利用者への影響
快速停車により、新松戸駅から都心部方面への移動時間が大幅に短縮されます。これまで乗り換えが必要だった区間も直通で利用できるようになり、駅の利用者数は将来的に約4割増加すると予測されています。
また、新松戸駅の利便性向上により、利用者の居住地域や勤務地域の選択肢が広がることも期待されます。
地域への波及効果
鉄道利便性の向上は、地域全体に様々な好影響をもたらすと考えられています。
- 駅周辺商業施設の売上増加
- 住宅や企業の新規立地促進
- 定住人口の増加
- まちづくり事業の推進
- 地域イメージの向上
必要な整備と事業費
主な改良内容
快速停車を実現するためには、以下の大規模な駅改良工事が必要です。
- 既設ホームの延伸:常磐線ホームの両端を延長
- 新ホームの建設:既設ホーム両側に2面のホームを新設
- 東口改札の新設:武蔵野線高架下に新たな改札口を設置
事業費と期間
令和3年度にJR東日本に依頼した調査設計では、概算工事費は約232億円、施工期間は10年間という結果が出ています。なお、この金額には用地取得費や造成費は含まれていません。
国土交通省の評価手法に基づく費用便益分析では、費用便益比が1.0以上となっており、社会経済的な観点から事業の効率性が確認されています。
実現に向けた課題
財源と費用負担
最大の課題は財源の確保です。232億円という巨額の事業費を松戸市単独で負担することは現実的ではなく、国や千葉県、近隣自治体との費用分担について協議を重ねる必要があります。
関係機関との調整
JR東日本との基本協定締結に向けた協議、用地の測量や確保手段の検討など、多方面にわたる調整が必要です。
今後の進め方
事業実現に向けては、以下のステップで進める予定です。
- 事業方針の決定
- 基本協定の締結
- 設計・工事施行協定の締結
- 工事着手
市では、財源確保や費用負担、物価高騰等の要因を総合的に勘案しながら、関係機関との協議を継続し、事業の実現性について検討を進めていく方針です。
新松戸駅への快速停車は、地域の交通利便性と魅力を大きく向上させる可能性を秘めたプロジェクトです。
ただし、巨額の費用と複雑な調整が必要な大規模事業であり、実現までには相当な時間を要することが予想されます。
